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台湾公演「Dance Forum Taipei ≪徹舞流≫ Moving with Shimazaki」レポート

こんにちは!管理人のMです。

2016年4月8日・9日・10日の3日間、台北の水源劇場にて
「Dance Forum Taipei ≪徹舞流≫ Moving with Shimazaki」
が上演されました。
現地で取材しましたのでレポートします。

 

≪徹舞流≫ Moving with Shimazaki とは?

台湾のダンスカンパニー「Dance Forum Taipei」に島崎徹が3作品を振付けました。
島崎作品だけを上演するフルイブニングです。

台北・桃園・高雄での前売券はすべて完売。
南国台湾の舞踊熱を全身で感じることのできる素晴らしい公演でした!

 

[上演作品]

1) Grace

振付: 島崎徹
音楽: 坂本龍一・Alva Noto

島崎徹台湾公演

月面をイメージさせるような、深みのある美しい白が印象的でした。
未来のようであり、過去のようであり、虚像のようであり、実像のようであり、
多面的要素が同時に走っている感じを受けました。
音楽もアコースティックとデジタルが同時進行していました。

島崎徹台湾公演

2本の線は交わるのか、交わらないのか・・・。
本物なのか、偽物なのか・・・。
いろいろと頭をよぎりました。

島崎徹台湾公演

 

2) The Game

振付: 島崎徹
音楽: Morgaua Quartet

島崎徹台湾公演

島崎作品ではこれまで観たことのない男性ダンサーのみの新作です。

インパクトのある男性的な骨太の動きとMorgaua Quartetの個性的な音楽。とてもとても楽しむことができました。
少しお芝居を連想させるような演出もあり、ストーリー性も味わえました。
これからも男だけの作品つくるのかな~?なんて思いを巡らせながら観ました。

 

3) Zero Body

振付: 島崎徹
音楽: Zoë Keating

海外で観るZERO BODYもやはり素晴らしかったです。観客がどんどん作品に引き込まれていくのを感じます。
国や民族が違っても人の心を動かすものは共通しているという島崎徹の言葉を思い出しました。

島崎徹台湾公演

今回、海外でZERO BODYを観ることで作品の新たな面を感じ取ることができました。
観客は、この作品を5分、10分と観るうちにダンサーに敬意を感じ、称賛の気持ちがあふれてくるんです。スピード、キレ、細かい動き、規律、躍動、それらが感性を刺激する音楽の中で次々と飛び出してくる。
終わった時の大歓声には秀逸な作品とそれを踊り切ったダンサーに対する賛辞が溢れていると感じました。

力のある作品とは、ダンサーを本気にさせ、さらには観る人を巻き込む作品のことなんですね。

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

photo by Yo-Wei Chen

[リサーサル風景]

リハーサルを見て感じたのですが、日本人と台湾人がお互いの母国語でない英語で意思の疎通を図る場合、無駄なことや贅肉を排除して一番伝えたいことにフォーカスするんですね。
コミュニケーションと信頼関係の重要性を感じました。
島崎徹と助手の本間紗世、時に厳しく、時に寛容に、溶け込むように舞台を作り上げていました。

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

 

若い世代のエネルギーを感じる

10代の観客が多いのが印象的でした。Dance Forum Taipeiが踊る島崎徹作品を観たくて自ら楽しみにして来たという空気を大いに感じました。
若いダンサーたちが夢を持って海外の振付家の作品を観ることは、本人と舞踊界の将来の発展につながると思います。そんな台湾の盛り上がりの一端を見た気がします。

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

島崎徹台湾公演

 

[Dance Forum Taipei の紹介]

今回の台湾公演で最も強く感じたのは日本と台湾の違いです。
台湾にはプロのコンテンポラリーダンスカンパニーが20以上ありますが、日本には片手で数えられるほどしかありません。
台湾の人口は日本の約1/5ですから、この違いは大きいですね。

そして、海外の振付家に依頼して舞台を作ろうとする価値観・行動力・資金力にも敬意を感じます。小さい島国(九州とほぼ同じ面積)でありながら独自のアイデンティティを持って存在する台湾ならではの静かな力強さを感じます。

 

Dance Forum Taipei <舞蹈空間>

http://www.danceforum.com.tw/
台北に拠点を置くコンテンポラリーダンスカンパニー。所属ダンサーは約10名。
島崎徹とは2007年「Run」の上演以来、交流が続いています。

島崎徹台湾公演
平珩さん(Dance Forum Taipei のディレクター) <ArtisticDirector> Ping Heng

個人的なことを書いて恐縮ですが、滞在期間中、楽屋への入場許可・チケット・ホテルなどをすべて手配してくださいました。本当にありがとうございました。

平さんはカンパニーのディレクターですが、振付家ではありません。プロデューサー的な仕事やカンパニー運営の仕事をしておられるようです。国やカンパニーによって体制は様々ですね。
Dance Forum Taipei のメンバーは、ダンサーもスタッフもおおらかな雰囲気でいつも笑顔がいっぱいでした。舞台の喜びをみんなでシェアしているかのようです。こんな風に舞台や仕事に向き合えるのも台湾のひとつの特長であり、魅力なのかもしれません。また訪れたいと心から思いました。

Thank you so much!
I hope your company’s further development in the future.
See you again. 再见!

 

 

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