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5.132019
【ツアーレポート】島﨑 徹セレクトメンバー ウクライナ公演へ!
こんにちは!本間紗世です。
2018年11月、島﨑 徹セレクトメンバー【Dance Barbizon】の12名は世界的バレエダンサーであるウラジミール マラーホフさんのご招待により、彼の故郷・ウクライナで開催された「ウラジミール マラーホフと世界のバレエスターガラ公演」に参加しました。
この公演には、パリ・オペラ座よりLaetitia Pujol&Alessio Carbone、クロアチア国立歌劇場バレエ団よりIva Vitic Gameiro&Guilherme Vitic Gameiro Alves、ベルリン国立バレエ団よりKsenia Ovsyanick&Dinu Tamazlacaru、キエフ国立歌劇場バレエ団よりElena Filipyeva&Nikita Sukhorukov、針山愛美さんなど世界各国からマラーホフさんと縁のある素晴らしいダンサーが集結。古典、ネオクラシック、コンテンポラリーとバラエティ豊富な作品が上演されました。
これぞ海外のプロの世界!と感じさせるハイクオリティーな素晴らしい公演でした。
私達【Dance Barbizon】は、島﨑徹振付による“For James” 、“Absence of Story”(ウラジミール マラーホフ&田頭綾女)、“South” の三作品を披露しました。
プログラム
日本からウクライナへは直行便がない為、まず、ヘルシンキ経由で16時間かけてキエフへ行きました。雪は降っていませんでしたが、どこか寂しいヨーロッパの街並みを散策しながら徹先生がひとこと。「ここにいるとバレエを観に行こうって気分になるよね。」確かに!
そして目に飛び込んできた1枚のポスター。それは、私たちが参加する公演のポスター!芸術が身近にあるこの場所で舞台を踏めることにメンバー全員が心を踊らせ、感激しました。この光景は一生忘れることはないでしょう。
翌日、キエフを出発し、列車で7時間かけツアー初日の地・オデッサへ!
ホテルに到着したのは23時。緊張するはずの海外公演の現地入りで、なおかつ長時間の移動でしたが、終始リラックスモードで過ごすことができました。メンバーの存在がお互いを支え合っていることを実感しました。
ツアー初日
そしていよいよツアー初日、ウクライナ国立オデッサ歌劇場へ!
色んな場所をツアーで巡るので、本番前日は移動日となりリハーサルができません。そのため、本番当日開場までの数時間だけが稽古、場当たり、リハーサルが出来る唯一の時間です。
そしてなんと、プログラムの順番は当日発表されましたーーー(笑)。ツアー初日の上、慣れない会場にみんなバタバタ(汗)。
とても美しい豪華な曲線が印象的なウクライナ国立オデッサ歌劇場。
あっという間に開演の時間を迎え、この美しい歌劇場を堪能するというような気持ちの余裕はなかったですが、主催者であり出演者のマラーホフさんが、一作品ずつ丁寧にダンサー、スタッフへのアドバイスをされている姿を目撃したり、島﨑先生、松浦さん、針山先生、現地スタッフの皆様のサポートあってこその公演だということをしみじみと感じました。
本番を迎えるにあたり、もちろん緊張もありましたが、開演のタイミングが突如だったことは衝撃でした(笑)。スタッフに「Are you Ready?」と聞かれ、「Yes」と答え、始まるかと思うと、そこから5分…10分と経過…。板付でスタンバイしている数名はハラハラ、ドキドキ。そして、何の前ぶれもなく幕が上がりました。
幕間では共演する世界のダンサー達の舞う姿に刺激と感動を受け、誰もが体験できないであろうこの夢の空間・時間にただただ心が踊りました。
終演後、出演者一同ホテルに戻ったのは22時過ぎ。興奮気味でなかなか寝付けなかったですが、翌日は早朝4:30に集合し、次に公演があるキエフへ。列車で7時間揺られる移動となりました。
そんな過密スケジュールの中、マラーホフさんが自ら列車のチケットを出演者一人一人に手渡しして下さいました。ご自身も本番翌日でお疲れだと思うのですが、一同、驚きと感激の瞬間でした。
マラーホフさん、島﨑先生をはじめとする素晴らしい才能の方々とご一緒させていただいたのですが、凄い人ほど普通ですね!!(笑)驕ることなく、若い者が恥ずかしくなるほど、身軽に誰かの為に行動される場面が何度も見られました。ご自身の愛する舞踊に淡々と、そして謙虚に向き合っておられ、これぞあるべき姿と気付かされます。
ツアー2日目
ツアー2日目はウクライナ国立歌劇場へ!
ウクライナ国立歌劇場は、ヨーロッパスタイルの八百屋舞台!舞台の奥が高く、客席側が低く傾斜しています。ダンサー全員初めての体験です!舞台上で思わずペットボトルやボールを転がしてみたり…(笑)。笑いながら顔が引きつってました。
重心が前につんのめるように取られてしまい、回転して止まろうとするとよろけそうになります。ただでさえリスキーな島﨑作品をわずか数時間でこなすのは至難の技でした。
豪華なオデッサ歌劇場に対し、とても上品な空間がひろがるウクライナ国立歌劇場。
チケット完売のキエフ公演!マラーホフさんのお母様も会場へお越しになり、ウクライナのお客様も温かく迎えて下さいました。
一つ一つの作品に対して、割れんばかりの拍手とブラボーの嵐!終演後は観客総立ちでアンコールが止まらず、大成功の公演となりました。
お客様だけではなく、マラーホフさんをはじめとする共演者達もお互いの踊りを袖から見守り、賛賞しあい、そこで声をかけて下さった温かい言葉は今でも私たちの心に残っています。
まるで宝石箱のように美しい歴史ある劇場で、世界的なダンサー達と同じ舞台を踏むことができた幸福感。ウクライナでの数々の出会いは、常にそこに”踊り”があり、舞踊には国境がないということを改めて実感できるものでした。
キエフ国立バレエ学校でも踊りました!
公演終演後に、キエフ国立バレエ学校芸術監督の寺田宜弘さんから「ぜひ、うちの学校でも公演をしてくれないか」とオファーを頂き、急遽“For James”を披露させて頂きました!
踊り終えると、生徒の皆さんが総立ちで大きな拍手をしてくださいました。「こんなに興奮した学生達を見たことがない」と寺田さんもおっしゃるほどでした。
そして、島﨑先生は終演後にメッセージを残しました。
「クラシックバレエには”クラシックバレエ”という一つの言語があります。僕が取り組むコンテンポラリーも同じで、新しい言語を作ろうとしています。ぜひ、将来あなたたちはクラシックだけに留まらずに、未知の言語にもチャレンジしてください。」
ツアーを振り返って
本当に素晴らしい経験でした。このような機会を与えてくださった島﨑徹先生、マラーホフさん、ウクライナで関わった全ての皆さんに、改めて感謝の気持ちで一杯です。
ありがとうございました!!!
近日、新しい公演情報も公開させて頂きますので、ご期待くださいませ!!!これからも島崎徹作品、【Dance Barbizon】の活動を応援よろしくお願いします!
「ウラジミール マラーホフと世界のバレエスターガラ公演」舞台写真(写真提供:KSENIA ORLOVA PHOTOGRAPHY)