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3.42016
神戸女学院大学舞踊選考・第10回定期公演レポート
2016年3月3日(木)と4日(金)、待ちに待った神戸女学院大学・舞踊専攻の第10回定期公演が開催されました。
まだ寒い神戸の夜空を舞踊の熱気が包み込んだような二日間でした。
管理人Mがレポートします。
開演の1時間前に神戸文化ホールに到着しました。ワクワク!
今年も多くの方が観に来られました。ロビーは開場を待つ人でいっぱい。
おっとそこへオーウェン先生(客員教授)が登場。相変わらずカッコいい。
この日はオーウェン先生が振付けた作品も上演されました。
徐々に上がるモチベーション
開演を待つ間、さらに気持ちが高揚してきました。
客席の皆さんもすごく楽しみにしておられているのが、会話と空気で感じられます。
神戸女学院大学に舞踊専攻が開設されて10年、クオリティの高い作品、感動の舞台を提供し続けたことが、定期公演をこれほど多くの人に愛されるイベントに成長させたのだと思います。
今年は4作品が上演されました
オーウェン・モンタギュー(客員教授)作品で幕を開け、そのあと島﨑徹振付の3作品が上演されました。
[A GEM in G]
クラシックバレエの美しさも楽しめる作品でした。
オーウェン先生は現在、舞踊専攻でバレエのクラスを受け持っています。自身もダンサーとしてカナダ国立バレエ団やネザーランドダンスシアターなどの名立たる世界のバレエ団で活躍してきました。
幅広いテイストの作品と出会えるのもこの定期公演の特長です。
振付: Owen Montague
音楽: Johann Sebastian Bach ”Brandenburg Concerto no.3 in G”
出演: 2年生
樋渡祐帆 目黒真帆 元田麻里奈 新名かれん 奥西れい 小野杏莉 駿川知世 横田千咲
[For James]
目が舞台に釘付けになりました。クラシック音楽で振り付けしてこんなにスピード感があって面白い作品になるもんなの?良い意味で期待とは異なる異次元に連れて行かれた感じです。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタとダンサーたちの情感あふれる踊りにすっかり魅了されました。コンテンポラリーのさらなる可能性を感じる、美しくて楽しい作品です。
振付: 島﨑 徹
音楽: Ludwig van Beethoven
出演: 3年生・ゲストダンサー
市村麻衣 加藤美央 黒木悠花 村林楽穂 芝池夕貴 田頭綾女 平雛子 辻田萌子 湯淺愛美
相川友貴 本城祐哉 池島優 杉窪志為 矢木一帆
作品紹介: 「For James」 (公演映像・クリエーション映像をご覧いただけます)
[Here we are !]
舞踊専攻の登竜門に2・1年生が挑みました。
見慣れた作品であるにもかかわらず毎回心が高まるのはなぜ?!魂を揺さぶってくる振付けとダンサーの舞台にかける情熱をカラダと心で受け取るからなのだと改めて気づかされました。
振付: 島﨑 徹
音楽: René Aubry, Triakle, N.Jankovic, S.Perapaskero, T.Waits, Goran Bregovic
出演: 2年生・1年生
樋渡祐帆 目黒真帆 元田麻里奈 新名かれん 奥西れい 小野杏莉 駿川知世 横田千咲
生田万莉絵 金原れの 松山りか 中上綾女 丹羽千尋 砂川裕菜 砂泊優菜 上田奈穂 山本麻未
[Seasons]
最後は4回生が踊る新作です。私、Webの管理人とはいえ、リハーサルすら観ていません。
胸が高鳴り、自然に背もたれから体が浮いて、食い入るように舞台を見つめました。美しい青の衣装、ユニークなフォーメーションと連続する精細な動き、脳裏を刺激するマイケル・ナイマンの音楽。出来たてホヤホヤ感とそれにまだついていってない自分の目(笑)。
あっという間に終わった気がしました。続けてもう1回見たいと心から思いました。
4年生が真剣に新作と向き合う空気が客席まで伝わってきたことも強く印象に残りました。
振付: 島﨑 徹
音楽: Michael Nyman
出演: 4年生・ゲストダンサー
池主雅夕 藤森美貴子 川原美夢 金愛珠 岡庸子 佐々木微香 佐藤絢音 杉田亜祐美
水野多麻紀(特別出演 第4期卒業生)
相川友貴 本城祐哉 池島優 杉窪志為 矢木一帆
[照明] 松浦眞也〔PROVE〕
[音響] 須川由樹 金子進一〔T&Crew〕
[舞台監督] 藤森秀彦〔Water Mind〕
[衣装] 株式会社アトリエ ヨシノ(朝長靖子)
[アシスタント] 服部千尋 本間紗世 水野多麻紀 渡邉はるか
※ 4作品に共通した情報です
感動に挑む
これは今回の定期公演を通して感じたことです。
真にオンリーワンの作品を目指す振付家・島﨑徹。
劇場という無機質な場所を感動の空間に変える挑戦を続け、私たちは引き寄せられるようにそれを観に行きます。
新作を観るとよく思います。どのようにしてこの作品は生み出されたんだろうと。
クリエーション(創作)のプロセスや時間は?いつ頃から始めて何回くらい集まったんだろう。想像もつきません。
おそらくは、内面とフィジカル両面の膨大なエネルギーが費やされています。
振付家とダンサーによって紡がれたストーリーが具現化した舞踊作品は、人間のエネルギーが形になったものと言えるかもしれません。そんな舞台と出会った時、私たちは「感動した」と言います。
感動とは挑戦の先にだけあるものだと痛感しました。
ダンサーから感じるエネルギー
舞台にはダンサーの想いや意識によるエネルギーがあると思います。
自分を出そう、表現しよう、きれいなラインをつくろう・・・、それは観る人の心に届きます。
若いダンサーが舞踊を通して、考えること、表現することに向き合うのはとても大事なことだと思います。観る人の気持ちを思い描いて踊れるダンサーであってほしいです。
同じ作品であってもダンサーが変わると「あれ?振りが変わったかな。」と思うことがあります。ダンサーのエネルギーが違うからでしょうね。
神戸女学院大学の定期公演では、前年との変化を感じるのも楽しみ方のひとつ。ダンサーと作品の組み合わせが鮮度の違う感動を与えてくれます。
神戸女学院大学・舞踊選考での4年間
フィナーレの主役は4回生。会場全体が称賛の拍手に包まれました。
舞踊専攻で過ごす4年間、すごいですよ。世界の一流の人たちから踊りや人生を学び、公演に出演する。かけがえのない仲間と出会い、競い合いながら生涯忘れえない思い出をつくる。濃い~4年間です。
4年生の皆さんのこれからのさらなる活躍を祈っています。
3年生・2年生・1年生は来年の定期公演楽しみにしてますよ~。
皆さん、ぜひ神戸女学院大学・舞踊専攻の公演を観に来てください。大学の公演とは思えないクオリティの高さとコンテンポラリーダンスの面白さにきっと驚きます。
※ 公演情報はこちらから → 公演情報をご希望の方へ
またしても舞台から元気をもらった管理人Mのレポートでした。ありがとうございます。