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5.312017
【フォトレポート】PDA EXTRAVAGANZA -豪華絢爛-
こんにちは!ミッキーです。
大阪で上演された「PDA EXTRAVAGANZA -豪華絢爛-」をレポートします。
「こんな舞台が観たかった!」
心からそう思った。しかし、本当の感情は理屈や言葉では表し難く、全身が喜びで震えていたことが全ての真実である。
なかなかそう感じる舞踊の舞台に出会うのは難しい。だから嬉しかった。
事実、私は初日に感動して2日目も観に行った。
勝手な想像だが、
「来てよかった。」
「もう1回観たい!」
ほとんどの人がそう感じたと思う。
実際、このすさまじくパワフルでテクニックに満ちた大作を踊り切った18名の男性ダンサーに対し、満員の観客からは惜しみない拍手が沸き上がり、万雷のスタンディングオベーションとともに終演となった。
振付家・島崎徹とタフなダンサーたちの優れた技術とチャレンジに敬意を表すかのように、ホール全体は最高潮の熱気に包まれたのである。
それは、「うちのダンサーが出ているから」「友達が踊ってるから」そんなよくある称賛ではない。心から楽しませてくれた舞台に対する賛辞と感謝であると感じた。
しかし、正直なところ、ここまで素晴らしい舞台になるとは想像していなかった。
「Here We Are !」という、島崎徹ファンにとっては慣れ親しんだ偉大な作品を男性が踊ると聞いた時から、「面白そうだけど、いったいなんで?」と期待に困惑が入り混じる。
大好きな作品が進化するのか、退化するのか、勝手にどっちも想像していたのである。
皆さんは舞台に何を求める?
テクニック?
美しさ?
感動?
私はこの舞台を観て確信した。観客に「来て良かった」と思わせるのが舞台の役割であり、責任だと思う。それを見事に果たした瞬間に立ち会えたからこそ、そう確信した。
過去やしがらみにとらわれていないことも、観客にはしっかりと伝わる。
日本の舞踊界全体にも目を向けたくなる。ジャンルや所属の異なる、こんなハイレベルなダンサーたちがひとつの舞台をつくるのは容易ではない。多くの障壁をクリアし、この日に至ったことは多くの関係者の努力によるものと推測するが、何より敬意を表すべきは関係者全員の「勇気」と「行動力」であろう。
高い技術とユニークな演出の融合による秀逸な作品が生まれた背景には、一人ひとりの強いメンタリティの継続とチームワークがあるのだろうと想像し、このような作品が日本にあることを嬉しく思うばかりである。
以下、写真とともにレポートする。
PDA EXTRAVAGANZA -豪華絢爛-
[日時] 2017年5月13・14日
[会場] 森ノ宮ピロティホール
「Here We are!」
[演出・振付] 島崎徹
[リハーサルアシスタント] 本間紗世
[衣裳デザイン] 朝長靖子
[作曲] René Aubry Triakle No smoking Orchestra Altan
Israeli Fork Ensemble, Gavin Whelan Murcof
Taraf de Haidouks コンタクトウリス クァルテット Tom waits
[出演] 宮原由紀夫 青木崇 秋定信哉 東文昭
榎本心 恵谷彰 大平哲滋 岡田兼宜
上村崇人 梶原将仁 北村俊介 酒井直希
佐藤信吾 末原雅広 張縁睿 豊永太優
古川満 丸山陽司
★リハーサル風景
所属やジャンルが異なる才能に溢れたダンサーたちはどうやってひとつにまとまっていったのだろう。
★いよいよ迎えた本番当日
観る者の想像をはるかに超えた数々の演出と情熱に満ちた踊り。
それらと出会えたとわかるのに時間はかからなかった。
我々が知る「Here we are!」のリミッターを外し、リスク覚悟で挑んだ大胆なチェレンジは、確実に観客の心をつかみ、感動を与えた。
これらのカッコいい写真と私の記事から、作品中に涙が出るほど笑ったシーンがあるとは誰も想像できまい。
が、死ぬほど笑った。幅広い演出のアイディアとそれをやり切ったダンサーたちの多才ぶりが際立っていた。
[撮影] 岡村昌夫
途中でつぶやいた。
「徹先生、やったなー。」「すごい勇気だ!」「面白い!」
そして、ダンサーの表情から伝わる、限界に挑んだ充実感。
たくさんのエネルギーをもらい、帰路に着く。
「そうだ。オレはこんな舞台が観たかったんだ。」高揚する気持ちと素直に向き合ってみた。
日本の舞踊界が変わるかもしれないと密かにワクワクしていたことは心に閉まっておきたい。(言っちゃったけどねー。)