ブログ
6.12017
Dance at the Gathering 2017【MOVIE+PHOTO】
こんにちは!ミッキーです。
待ちに待った、島崎徹セレクトダンサーによる舞台!
最後に動画と写真を掲載しています。
Dance at the Gathering 2017
【会場】NHK大阪ホール
【監修】法村牧緒
【芸術監督】島﨑徹
【プロデューサー】西尾智子
①コンテンポラリー
島崎徹セレクトダンサーによる群舞作品
【振付】島﨑徹
② クラシックバレエ
ローザンヌ、ヴァルナ国際バレエコンクール入賞者を中心に、日本国内外のバレエ団で活躍するダンサーによる上演
【演目】「海賊」「ラ・シルフィード」「コッペリア」「ジゼル」などのグラン・パ・ド・ドゥ、ヴァリエーション
世界へのトンネル
待ちに待った舞台だった。振付家・島崎徹がセレクトした日本人ダンサーによる作品。
島崎徹が活動の拠点を置くのは神戸女学院大学の舞踊専攻。専用のスタジオを持ち、全国の優れたダンサーたちが入学の門を叩く。そこで10年以上にわたって教授としてコンテンポラリーダンスを教えてきたことは今や全国に広く認知されている。
そして、その卒業公演、定期公演がハイレベルであることは疑う余地がない。間違いなく、国内最高レベルの大学生による舞踊公演であり、私も毎年ココロを踊らせて観に行く。
その一方で、学年も年齢も度外視して選抜されたダンサーによる島崎作品を観たいという想いは常にあった。おそらく、それは私だけではないだろう。
それが実現したという意味で待ちに待った舞台なのだ。
振付家・島崎徹の作品は世界へのトンネルだと思う。これまでも、今も、ヨーロッパ・アメリカ・アジアから振付のオファーがあり、プロのダンサーによる秀逸な舞台を作り上げている。だから、私たちは島崎作品を通して世界を見て、感じることができるはずだ。神戸女学院大学の卒業生が海外のダンスカンパニーのオーディションを通過し、海を渡るようになった。トンネルの先へ実際に行き始めたのだ。
日本人のセレクトダンサーによる舞台が世界レベルにあることを実感した。これからは世界を意識して島崎作品を観ることに躊躇がなくなった。そう確信できたことがとてもうれしい。
規格外の魅力「ForJames」
「For James」はいつも以上に素晴らしかった。ありきたりだが「優れたダンサーたちによる秀逸な作品」という言葉が相応しい。
同時に、創作の面白さと可能性を感じさせてもらった。「そうだ、これなんだよ。これがコンテなんだよ。」言葉にすると陳腐だが、観た人にはわかっていただけるだろう。
「For James」が生まれたのは3年前。それまでベートーベンのヴァイオリンソナタとコンテンポラリーダンスは親しい関係にはなっていなかった。そう思うと新鮮だが、時代を貫通したような音楽と踊りの饗宴がこの作品の本質的な魅力だと思う。
ダンサーの繊細な動きによって音楽の感情みたいなものまで伝わってくる。観ている間に自分を縛る既成概念はなくなり、自然とニュートラルな感じになれる。
「まさか日本でこんな作品が生まれるとは。」ベートーベンはそう言ってると思う。
ひとつの作品のエネルギーがNHKホールをしっかりと、そしてひとつに包み込んでくれた。観客から万雷の拍手が沸き上がる。
ダンサーたちの充実感に満ちた表情が全てを物語っている。
ジャンルに縛られない舞踊へ
今回の「Dance at the Gathering 2017」では、クラシックとコンテンポラリーの両方の作品を観ることができた。
残念ながら日本では、クラシックとコンテンポラリーが別々に上演され、両方を横断する作品はあまり見られない。
ダンサーや指導者の意識の影響か、日本人に合っているからか、変化の途上なのか、理由はさまざまだろうが、個人的にはもっと融合したものを観たい。つまり、新しい世界感だ。
本来、古代から踊りとは生きること、生活することそのものが具現化された表現なのだと島崎徹は言う。人間の感情や生きるエネルギーこそが踊りの根源。つまり、ジャンルはあとから付け加えられたもの。
今回のようなイベントが、若いダンサーや関係者の意識に少しずつ変化を与えることだろう。いずれジャンルの垣根も薄れていくかもしれない。
観たあとに「面白かった」「楽しかった」「来て良かった」と素直に喜べるような舞台が増えてほしい。面白い方向へ、楽しい方向へ、ジャンルを超えて良い作品が作られていくことに期待したい。
ForJames
Dance at the Gathering 2017(NHK大阪ホール)
[MOVIE]
[PHOTO] 撮影:岡村昌夫(テス大阪)